04)白ナイル: アラン・ムアヘッド

以前は、世の中に、探検の本がもう少しはあったように思うのですが、このごろではほとんど見かけません。白ナイルはナイル川の水源を見つけに行く話しです。探検のいい本は、この他にもたくさんあって、南極点にはじめていく話とか、エベレスト初登頂、中央アジア探検記、とにかくたくさんあります。どれを読んでも面白いでしょう。そして、どれもレトロな本です(たぶん)。

 

まだ未踏峰への登頂がニュースになっていた頃、みんなの世界観が今とは多少違っていたかも知れません。少しだけ早く生まれてきてよかったという気持ちがあります。以前はまだ日本の中にも人跡未踏に近い山稜や谷筋もありました。もう山岳部がはやらないのも仕方ないでしょう。ほんの30年前、夏でも冬でも、駅で大きなキスリングを背負った大学生のグループをふつうに見かけましたが、最近はもう全くありません。登山口の駅ではよく寝たものです。北海道だと都会の駅でも大丈夫で、旭川駅や帯広駅では駅の前にシュラフで寝ました。


ただ、もっと早くに生まれていれば、もっとよかったと思うことはあります。ナイルの水源も、エベレストも、南極点もまだ誰も行っていない、そういう世界は全然違ったはずです。そんな頃の気持ちで読むことができるのかどうか。どうぞ読んでみて下さい。もちろん、文章だけの本ですが、ナイル川上流のどんな写真集よりもいいのでは。

 

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コメント: 3
  • #1

    hw10a009 (月曜日, 01 7月 2013 09:50)

    冒頭の街のゴタゴタゴチャゴチャとした描写は下町のスラムっぽい雑多な魅力が溢れ出ていました。
    そしてそこから始まる冒険活劇に心をワクワクさせましたが、地名人名固有名詞が多く、少々理解がしにくいという場面が多々あり、読むのが辛いという印象を受けました。

  • #2

    hw10a003 (火曜日, 09 7月 2013 09:56)

    昔はこのような冒険の小説をよく読んだのですが、最近はまったく読んでいませんでした。なので、久々に読むと小さい頃のわくわくした感覚が戻ってきたような気がして楽しかったです。冒険が終わったあとも、人としてのずるさのようなものが見えて、わくわくだけではない面白さも感じ取ることが出来ました。懐かしい気分になりながらも、昔とは違い成長した気分も味わえた本でした。

  • #3

    かけそば (月曜日, 29 7月 2013 01:06)

    冒険の歴史を書いた本を読んだことはなかったためとても新鮮でした。
    今は前人未踏の地というところはほぼ無くなっているようですが、僕はこの本を読んで冒険をしてみたくなりました。
    しかしこの本にはヨーロッパやエジプトの歴史に触れている箇所がとても多くなかなかその点では難しい本だと感じました。