232)摩訶大将棋の駒の動き方:2018春版

摩訶大将棋の駒の動き方(2018春版)
摩訶大将棋の駒の動き方(2018春版)

 

同じ話題は、投稿227)にて投稿していますが、中途半端な投稿になっています。それで、かなりだぶりますが、別観点も含めつつ、再度ある程度きちんと書くことにしました。上図は、投稿227)で2018冬版とした図と同じ図です。

 

参考とするのは、基本的には、象戯圖の摩訶大将棋の図ですが、延年大将棋の図も重要視するというのが発見のきっかけとなりました。延年大将棋の図の方を正しいとすることで、これまで持っていた疑問点がなくなり、摩訶大将棋に仕組まれた陰陽五行を見ることができます。ここしばらくは、この点について、きちんと説明していきます。

 

2014秋版からの変更点は次のとおりです(新しい解明がありましたのでルールも変更されていますが、本稿では、駒の動きの変更だけに議論を限定します。)。

1)蟠蛇(摩訶大将棋の図よりも延年大将棋の図を信頼)

2)提婆・無明(同じく、摩訶大将棋の図よりも延年大将棋の図を信頼

3)淮鶏(使用可能な歩き駒パターンから妥当な動きを選択)

4)銀将・臥龍(陰陽五行からのアプローチ) <--- 別稿にて後日解説します。

 

なお、2018春版では、4)までを取り入れていますが、コンピュータ摩訶大将棋には採用していません。対局にはほとんど影響しないということもありますが、十分に周知されている銀将の動きの変更を多少とも気にかけたということです(桂馬の動きが、現代将棋と大型将棋で違いますので、それほど気にすることもないのですが)。また、陰陽五行の観点からアプローチすることで、あと3駒、動きが変更となりそうですので、この変更を合わせて行いたいということもあります。(摩訶大将棋にまだ復刻の余地が残っていたとは思っていませんでした。)

 

まず、上記1)と2)から説明します。以下に置きました、2014秋版と上の2018春版の動きの全体を比べてみて下さい。

 

摩訶大将棋の駒の動き方(2014秋版)
摩訶大将棋の駒の動き方(2014秋版)

 

2014秋版では、蟠蛇の動きがおかしいことに気づかれると思います。両横の駒の動きを見る限り、蟠蛇はもっと強い動きの駒であるべきなのです。しかし、復刻ということを意識していましたので、記載されている限りそのとおりを採用すべきという考えが、2014年当時にはありました。同じような不自然さが、提婆と無明の動きにも見られるのです。金将よりも中央にあるのに、金将よりも動きが弱い。

 

蟠蛇・提婆・無明の2018春版の動きは、延年大将棋の図の方を信頼した結果です。これと連動し、淮鶏の動きは変更されなければなりません。蟠蛇2018の動きが、淮鶏2014の動きと同じだからです。そこで、淮鶏の動きの変更先を探すことになりますが、残された動きのパターンは3つしかありません。この中で、最も妥当な動きのパターンを、淮鶏2018の動きと推定しました。