2012年

2月

24日

09)摩訶大将棋の駒を作ります --6

 摩訶大将棋の中央2列目。羅刹、力士、狛犬、金剛、夜叉の5駒です。どれも大きく踊る駒です。

摩訶大将棋の中央2列目
摩訶大将棋の中央2列目

 04)の投稿で、大大将棋の作者は仏教関連の駒を避けたようです、と書きましたが、これは間違いだったかも知れません。大大将棋の作者は3目踊りの駒をはずしたかったという可能性があります。

 

 摩訶大将棋の最前列(歩の列は考えず)は、全部が走る駒ですが、2列目は、実は、ほぼ全部、踊る駒のようです。上の5駒以外に、驢馬も猛牛も飛龍も踊ります。桂馬だけが越す駒です。何というきれいな配置!

 

 最前列の攻撃を待たずに2列目からも越して進めるという仕組みです。走り駒を後ろにつけて中央の5駒が大きく踊ります。そのまだ後ろに師子が控えるという布陣。以下、象棊纂図部類抄(1592年)からの引用です。たとえば、金剛は次のように書かれています(読み下しは無茶苦茶かも)。

 

四方ニ3目踊ル、踊ラザレバ1目、2目馬ヲ越ス、四角1目歩ク

 

 驢馬も猛牛も象棊纂図部類抄には踊ると書かれています。諸象戯図式(1696年)では、ほぼ全部踊りですが、次の2点よくわからない記述です。
1)驢馬が越す駒、2)羅刹(3目踊り)と夜叉(5目踊り)のアンバランス

 

 ところで、wikipediaを見ると、踊りの駒が少なすぎで、どうしてでしょうか。

 

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コメント: 3
  • #1

    溝口和彦 (金曜日, 24 2月 2012 23:41)

    「踊る」の意味は、「2目以上指定の数だけ移動でき、途中に駒があれば飛び越すことができない」「2目以上指定の数だけ直接移動でき、途中の駒を飛び越すこともできる」のどちらでしょうか。
    「夜叉」については、「大大将棋」で「鳩槃」の対となり能力が変化したと思います。「摩訶大大将棋」では「羅刹」の対で、「大局将棋」の「夜刀」
    斜め前に一目ずつ、横に三目ずつ、真後ろに一目動く駒であったと思います。

  • #2

    T_T (土曜日, 25 2月 2012 01:09)

    踊ルは、狛犬とほぼ同じ機能と見ています。ただ、wikipediaの狛犬の動きの説明は、一部違うかもです。1592写本(=1443写本)には、狛犬の動きの解説は、次のように書かれています(一部を抜粋)。

    ・・師子ノ如シ、但シ師子ハ踊リ2目不正行度、狛犬ハ踊リ3目8方正行度

    正行度=同じ方向にだけ、という意味に捉えますと、居喰はできません。
    居喰ができるのは、不正行度=踊ったときに方向を変えてもよい、師子だけが可能です。

    金剛が、狛犬の4方(上下左右)だけ踊る駒、
    力士が、狛犬の4角(ななめ4方向)だけ踊る駒、になります。
    飛龍が、師子の4方だけ踊る駒、かつ正行度、
    猛牛が、師子の4角だけ踊る駒、かつ正行度、となります。

    正行度3目踊りの駒は、羅刹、力士、金剛(たぶん夜叉も)、
    正行度2目踊りが、飛龍、猛牛(たぶん驢馬も)、
    師子が不正行度2目踊りの唯一の駒となります。中将棋では、角鷹や飛鷲がいますが。

    1592写本に見られる、踊リの定義(のようなもの)として、隣接している駒のある方向にしか踊れない、という点があります。

    「踊ラザレバ1目」、ということですので。

    隣接している駒が味方だとすると、飛び越すことに、
    敵だとすると、食べてなおかつ進むことができます。
    これを、「踊リ」の定義と考えています。食べたときのみを「踊リ」というべきかもです。食べれなければ(つまり、味方ばかりなら)、越シです。

    たとえば、金剛の場合、右横方向の駒が次のようだとすると、
    (金剛)、(味方1)、(敵1)、(敵2)

    金剛は、味方1を越し、敵1を食べてさらに進み(=踊る)、
    敵2を食べてその位置に移動します。

    ただし、
    (金剛)、(味方1)、(駒がいない)、(敵2)の場合だと、
    金剛は、敵2を食べれません。

    (金剛)、(敵1)、(駒がいない)、(敵2)の場合だと、

    金剛は、敵1を食べてさらに進み(=踊る)、その横の駒のいない位置まで移動します。または、敵1を食べたが進まない(=踊らない)、という選択もOKです。つまり、踊ラザレバ1目です。

    以上が1592写本からの解釈です。ですので、摩訶大将棋の2列目も中央部分は結構強力です。ただ、成ると金将ですから、1回きりなのですが。

  • #3

    長さん (金曜日, 02 3月 2012 09:04)

    「踊り」を走りに直してしまったのは、近代になってからの事なのでしょうね。
    いずれにしても、古い時代の将棋の「飛び越え動き規則」は、正確な情報が
    しっかりとは伝わらない程に、めんどくさすぎたのですね。走りでごまかした
    方の気持ち自体は、判るような気がしました。なお、古文書の信憑性ですが、
    この領域の記載は、ほどほどではと考えてます。大大将棋の老鼠の成りで、
    「古時鳥は、仙鶴の間違い」というのが古文書に有って、これで判った
    「古時鳥」の謎という話が散見されてますが、個人的には老鼠の成りは、
    古時鳥(帰りたいと言って鳴く、ホトトギスの姿をした蜀の王様の、恐ろしい
    呪いの駒)で鼠の顔のイメージから見て良い感じがしますね。淮鶏の成りが、
    「主人が出世すると、空を飛ぶ」淮南の仙鶴で合っている訳ですから。