2014年

10月

28日

119)奈良県大芸術祭:摩訶大将棋イベント 2

イベントの案内ポスター(夜叉版)
イベントの案内ポスター(夜叉版)

受付の横に並べていた8個の踊り駒のうち、夜叉の駒をどなたかが持っていかれたようです。なぜ、師子や狛犬や麒麟でなくて、夜叉なんだろうと考えてみると、受付の前に、夜叉の図案の案内ポスター(A1版)を置いていたのが原因だったかも知れません。いまはなき夜叉の駒の写真画像が、ポスターの右上にはいっています。

 

案内のポスターには夜叉版と羅刹版があり、客殿の入口のところに羅刹版を、入口を入ってすぐの受付の前に、夜叉版を置いていました。これを見て、イラストの展示会ですか、と尋ねた方がひとりおられました。

参考文献エリアの紹介の続きですが、コーナー1のテーマは古文書です。参考文献エリアのはじめには、なにはともあれ、古文書を置かねばなりません。次いで、増川先生の多数の著書を並べました。標準的なレイアウトだと思います。対局室から参考文献エリアの部屋へと続く廊下には、象棊纂圖部類抄の巻物(カラーコピー)を全部ほどいて展示しました。長さ6mほどの全文を一覧することができます。解説は、4つの箇所(序文、仲人、金剛力士、秀次公への駒の箇所)につける予定です。それらの解説は、廊下にではなく、部屋に入ったコーナー1のところにパネルします。ここには、古事類苑の2冊も置きました。将棋の歴史をしている人にとって、古事類苑の遊戯部は必須ではないでしょうか。諸象戯圖式、古今将棊圖彙を読み解くためには、くずし字の辞書も必要ですので、ここに置きましたが、この場所でくずし字を解読しようという人がおられるのかどうか。

 

古事類苑は、明治時代の編纂資料です。しかし、古事類苑の遊戯部には象棊纂圖部類抄の情報が全くないのです。もし、ここに象棊纂圖部類抄の内容が記載されているとしたら、摩訶大将棋の謎は早々に解かれていたに違いありません。象棊纂圖部類抄(=象戯圖)の内容は、近世ではたぶん広まっていなかったのだと思います。この点、調査の必要ありです。

 

なお、象棊纂圖部類抄を置いた廊下は、鶯張りになっています。この廊下もお楽しみ下さい。

 

01)古文書

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象棊纂圖部類抄、水無瀬兼成、東京都立図書館、1592。

諸象戯圖式、国立公文書館、1696。

古今将棊圖彙、東京国立博物館、1697。

大象棋絹篩、国立国会図書館、1821。

象棋六種之図式(雜藝叢書第一)、 国書刊行会、1915。

古事類苑 遊戯部、吉川弘文館、1997。

古事類苑 方技部、吉川弘文館、1970。

基礎 古文書のよみかた、林英夫、柏書房、1998。

覚えておきたい古文書のくずし字200選、柏書房、2001。

覚えておきたい古文書のくずし字500選、柏書房、2002。

週刊朝日百科 日本の歴史・別冊(文献資料を読む・中世),朝日新聞社,1989.

 

02)増川先生

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ものと人間の文化史23-I(将棋I)、増川宏一、法政大学出版局、1977。

ものと人間の文化史23-II(将棋Ⅱ)、増川宏一、法政大学出版局、1985。

遊芸師の誕生 碁打ち・将棋指しの中世史、増川宏一、平凡社選書111、1987。

碁打ち・将棋指しの誕生、増川宏一、平凡社、1995。

将棋の起源、増川宏一、平凡社、1996。

将棋の駒はなぜ40枚か、増川宏一、集英社新書、2000。

将棋の歴史、増川宏一、平凡社新書、2013。

日本遊戯思想史、増川宏一、平凡社、2014。

 

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コメント: 4
  • #1

    長さん (水曜日, 29 10月 2014 09:47)

    想像ですが。古事類苑の件。「象棊纂圖部類抄を知ってて無視した」の説を私は取りたいと思います。私が、昔の遊戯についてまとめようとしている古事類苑の明治時代の編纂者なら。象棊纂圖部類抄でまず目が行くのは、駒数多数の将棋類ではなくて日本将棋の所ですね。水無瀬兼成。「1443年の文書に基づいた」と主張している文書に、日本将棋の図。入れない方が良かったのでは。室町前期の文書に準拠したと銘を打った文書に、「飛車角有り、醉象なしの40枚制日本将棋」を漫然と記したので、明治時代の編者に、他の情報との整合性で「?」を感じさせたのではないかと邪推します。摩訶大将棋は単に、そのとばっちりかと。摩訶大将棋の世界とは、全く別の世界で、象棊纂圖部類抄には物議を醸しだした部分があるという方向で、この件、今後一応チェックされてはどうでしょうか。
    さて。
     せっかく本格的に制作した「夜叉駒」の紛失。御気の毒でしたね。犯人さん。1枚だけ盗って何に使うんでしょうね。南北朝時代のお姫様の御墓にでも置いて、それっぽく見せかけるための用途にでも、使うつもりなのでしょうか。もしそうなら、裏が「一文字金」である点が判るように置かないと、使うゲームが聆涛閣集古帖タイプの摩訶大将棋とは、確定できない点にも注意してほしいですね。泰将棋では成り鳳凰が金翅で金将にしないと区別できない。大大将棋は夜叉は不成り。なので、夜叉の成りが「一文字金」の場合だけ、南北朝時代の異制庭訓往来の、駒数多い将棋、典型的には摩訶大将棋となじみが良いと言う事になり、本格的制作の駒なら、それっぽくて貴重と言う事になるのですよ。

  • #2

    長さん (水曜日, 29 10月 2014 09:50)

    すみません。↑で、大局将棋の夜叉の成りが、「四天」なのを書き忘れていました。

  • #3

    駒遊び人 (水曜日, 29 10月 2014 18:59)

    11月1日イベントで、お会い出来る予定でしたので黙っているつもりでしたが。話題に上りましたので。制作者としては「やったー。でも何故一枚だけ?全部じゃ無いの~」 例の「うちわ問題」では無いですが「有価値物」と認めてもらった・・・でも「夜叉」駒以外は「アカン」のかいな「他の駒」はどうなん!欲しく無かったの!で、 作りなおせば良いだけで問題無し。ちょっぴり「駒仲間」に自慢出来そうで(ウフフでーす)
    失礼しました。

  • #4

    長さん (金曜日, 31 10月 2014 07:50)

     駒遊び人さんへ。駒に魂が入ってたんで、価値あったんですね。なお、
    夜叉を選択したのは、高見先生の御解説の通りなんでしょう。作り直すとき、裏面の金の崩し字の崩し方を、再度、適度に加減するよう勧めます。金剛のおもて面「金」とは書体が違い、適度に崩れていれば、持ち駒ルールの無い摩訶大将棋の裏面「金」は、どの駒も同じ書体で使うのには充分なんです。