42)踊一目 = 居喰い(速報)

速報というのもおかしいですが、昨日、踊り一目の謎が解けました。たぶんですが。


踊一目というのは、たぶん居喰いのことです。
踊三目は金剛と力士、踊二目は猛牛と飛龍、では、「不踊一目二目」(一目二目をば踊らず)の一目をば踊らずとは、何か、このことがずっと気がかりでした。


狛犬は踊三目、一目二目要に随てこれをつかう、象棊纂圖部類抄の狛犬のところにある記述です。狛犬は三目踊りですけど、二目踊りでもいいし、一目踊りでもいいですよ、という意味になります。「狛犬は師子の如し」ですから、つまり師子は、踊二目、要に随て一目もつかう、です。一目踊りはつまり居喰いということになります。狛犬は踊三目の金剛・力士にもなれ、踊二目の猛牛・飛龍にもなれ、踊一目の師子にもなれるということです。


踊二目不踊一目(二目を踊る、一目をば踊らず)は猛牛です。
中将棋の角鷹は、たとえば、踊二目一目(二目も一目も踊る)という表現ができると思います。


踊りの定義も、これでやっとすっきりしました。踊りというのは、着地位置で駒を取るのではなく、着地しない位置で駒をとることのできる機能のようです。以前の投稿で書きましたjump and eatを定義にした場合、踊三目と踊二目は説明できますが、踊一目がうまく説明できません。踊一目とは、一目にある駒を動かずとることになります。不踊一目、一目には進めません。踊一目、これでも一目には進めませんが、駒は取ることができます。

以上のとおり、踊一目を解釈した場合、狛犬の動きは次のようになります。
1)全方向で居喰い可能(師子と同じ)
2)1目には進めない
3)全方向に踊り2目(師子も同じことが可能)
4)全方向に踊り3目


狛犬は師子の如し、確かにそのとおりです。


問題は中将棋の角鷹です。古文書にははっきり居喰いと書かれていますので、1目には進めないはずですが、Webを見ますと、1目に進めるという説がかなり多いです。中将棋を指されている方は、角鷹で1目進んでいるのでしょうか。この件是非確認してみたく思います。


きちんとした投稿、また後日に別投稿します。ひとまず、書き急ぎました。

 

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コメント: 4
  • #1

    長さん (水曜日, 27 2月 2013 09:54)

    Shogi Variantsでは、角鷹は、前一目目に
    相手の駒が有ると、取ってからそこで止まれず、もう一目
    突きぬかないと確か、相手に手が渡せないですね。前一目
    目が空きなら、そこで止まれますが。このソフトでは獅子
    にも同じ問題があり、今まで、ソフトのバグだと思ってい
    ましたが、そんな解釈もあるのですかね。

  • #2

    T_T (月曜日, 04 3月 2013 20:16)

    2目踊りする場合、飛び越した駒を必ずしも取らなくていいのかも知れません。つまり、越2目として使うのもいいだろうという考え方です。これは、終盤までプレイすると、よく出るケースなのですが、相手駒を取ることによって、走り駒が利いてしまうことがあり、その場合は、たぶん取らない方を選んでもよさそうです。お使いのソフトはそのようになってますでしょうか。中将棋の踊り駒は、獅子、角鷹、飛鷲だけですが、江戸時代の棋譜では、踊っても取らないケースが結構あります。江戸時代の古文書にある「わがままなり」に相当するのでしょう。

    前1目が空いている場合ストップできるかどうかですが、古文書からは、2目踊りの駒は、本来、そのような機能はなかったように読むことができます。この件調査中で、近日中に投稿予定です。

  • #3

    mizo (水曜日, 24 4月 2013 06:29)

    飛鷲、角鷹ほ居喰ができますが、一目目にも進める駒だと思います。そうでないというご意見は初耳です。

  • #4

    T_T (水曜日, 24 4月 2013 22:01)


    mizoさんへ
    コメントありがとうございます。
    その後の情報収集で飛鷲、角鷹の件、落着しています。江戸時代から続いてます現代中将棋のルールはきちんと確立されており議論の入る余地は全くありませんでした。この件については、まずコメントでお伝えしておくべきでした。

    中世の飛鷲、角鷹の件は、後日再投稿をと思っています。師子もそうなのですが、江戸時代の少し前に動きが変わったような感じを受けます。が、まだ検討中です。象棊纂圖部類抄、諸象戯図式、中将棋初心鈔の記載から、江戸時代に残る棋譜の駒の動きを納得するのは結構むずかしいです。これらの古文書の記載からは、1目に進めるかどうかは自明ではありません。一番直接的には、中将棋初心鈔の飛鷲、角鷹の動きの記載を確認いただけたらと思います。