01)ポーの一族: 萩尾望都

はじめの方は読みやすいものからと思ってますので、まず1冊目は「ポーの一族」にしました。この本を知っている人は、もう少なくなっているのではないでしょうか(大学生ではほとんどいないのかも知れません)。こういう本を紹介するのが、このブログの趣旨です。

 

記憶はおぼろげですが、たぶん私が修士の学生だった頃、お正月の新聞の特集記事だったと思います。有名な漫画家10人ぐらいにいくつか質問が出されていて、そのうちのひとつ、「今まで読んだ中で一番よかった漫画は何ですか?」みたいな質問に、半分ほどの人が、ポーの一族と答えていました。プロがよかったという、それも何人もの人が同じポーの一族だったわけです。すぐ買って読んだのか、ずっと後で思い出して読んだのか、もう忘れましたが、とにかく読んで、そして、よかったです。

 

ジャンルは、少女マンガです。そのときまで少女マンガは読んだことがありませんでした。読む気がしなかったからです。ただ、これ以降、萩尾望都(はぎお もと)だけは別です。たぶん、萩尾望都のファンでした。喫茶店は学生の頃からよく行ってましたが、当時は、コーヒーチケットというのがあって、10枚(コーヒー10杯分)買うと少し安くなりました。ボトルキープみたいな感じです。行って1杯飲むと、お店の人が勝手に自分のチケットから1枚だけ取ってくれました。チケットの冊子に自分の名前を書くのですが、「もと」と書いていたので、お店の人は、もとさんと呼んでくれてましたが、まあいいかということで、別に訂正もしませんでした。

 

コミックにして何冊分かあるのですが、3冊目以降は切れがなくなってきます。個人的には1冊目2冊目までがおすすめです。読んだ人、どうだったでしょう。センチメンタルな物語です。こういうセンチメンタルはレトロでしょうか。

 

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コメント: 8
  • #1

    (月曜日, 29 4月 2013 14:06)

    文庫本の一巻のみ読みました。少女漫画はあまり読んだことがなかったもので、読むのに少し疲れました。正直な感想を言えば、手塚治の作風(どちらかと言えば日火の鳥?)とベルサイアの薔薇を丁寧に織り交ぜて、オムニバスにストーリーが進んでいくというところでしょうか。永遠の時間をテーマにしているだけに、時系列にバラツキが大きく、また物語を読みにくいと感じましたが、それが特有の善さもあり、あながち悪い証言の仕方ではないとも感じました。
    吸血鬼が化け物で人間の豹変ぶりは見ていてゾクゾクとそそるところがあります。特にそれまでの優雅な雰囲気から一変して、吸血鬼のダークで残酷な雰囲気に一夜にして飲み込まれるストーリーは、丁寧な作者の物語の作りに感服します。
    まぁ、エドガーの残忍な性格のところで物語が悲劇になるとは予期できていましたが、妹の死ぬところは何度読んでも悲しくなります。本当に悪人がいない話だっただけに、化け物のワードが強く響きます。

  • #2

    こもこも (月曜日, 29 4月 2013 14:10)

    少女漫画は読んだことはなかったのですが、ポーの一族はとても読みやすかったです。一話目の展開から引き込まれ、この先どうなるんだと思いながら二話を読むと、「そうきたか!」と思わず感心しました。絵もきれいで話もよく練られているので読んだページ数以上の満足感がありました。エドガーとアランの二人の関係も見ていて非常に面白かったです。

  • #3

    K.K (月曜日, 29 4月 2013 14:30)

    ポーの一族
    私は少女漫画というものを読んだことはなかったですが楽しく読めました。
    決して老いることのないバンパネラという一族に生まれ、たった一人の妹「メリーベル」を愛する「エドガー」を見て、非常に切ない気持ちになり。

    「ペニーレイン」では1人ぼっちになってしまったエドガー、アランが目を覚ますまでのエドガーの心情に心を打たれました。

    「リデル森の中」ではエドガーの「リデル」という少女に対して「ぼくたちは...大きくならない」という台詞に彼らは老いることがなく、生きる世界が違うということがこの言葉に詰まっており、私はこの話がお気に入りです。

    文庫本1巻しか読んでいませんが、続きが読みたいと思いました。

  • #4

    hw10a009 (月曜日, 29 4月 2013 15:01)

    ポーの一族、読ませていただきました。
    吸血鬼という題材はすでに食傷気味の分野と言えますがその雰囲気に惹き込まれ一気に読み進めてしまいました。多くの人が永遠の命があればなどと想像妄想することがあるかと思います。人は根源的に死を恐れます。その恐怖は堪え難いものでしょう。
    しかしその死から逃れた吸血鬼は幸せと言えるのでしょうか?
    人として何もかも失い人々に忌み嫌われ、今際の際に祈る神も持ちません。
    永遠の孤独を生きる吸血鬼は恐怖のモンスターではなく、治療法のない哀れな病人以外のなにものでもないでしょう。人でなくなることより人の命を奪い生きる事になるより、その永遠の命こそが吸血鬼へと変わってしまう人にとっての絶望なのだと思います。

  • #5

    IT (月曜日, 29 4月 2013 15:08)

    少女漫画を初めて読みました。最初は読みづらかったのですが、読むにつれてその世界感に引き込まれ、読む手が止まらなくなっていきました。
    エドガーとメリーベルの特別であり、唯一無二の関係がとても感動しました。深くメリーベルを愛してくれている人がいたとしても、やはり、エドガーしか求められないことが悲しくもあり、かけがえのない愛を感じられました。

  • #6

    かけそば (月曜日, 29 4月 2013 15:19)

    とても面白くスラスラ読める本でした。
    主人公であるエドガーが最初に父親に反抗していてあまりいい感じに思っていなかったのに、父がいなくなると寂しさを見せるのも、子どもらしく読んでいて悲しくなりました。

    そのエドガーがただの人間の子どもを育てる時は、自分とその子「リデル」を重ねていたのではないかと思います。
    その子を育てる話をメインに書いたところでは、リデルがエドガーと一緒に居たいがために同じように育つのを嫌がっている表現があり、そのつど育てているエドガーがそれを拒んでいるところが少し悲しくもなりました。

  • #7

    リンゴ (月曜日, 29 4月 2013 15:35)

    ポーの一族、最初は少女漫画というだけで少し敬遠してしまった部分がありました。
    ですが読んだらその一話一話が面白く時間を忘れてしまう様な充実さでした。
    しかし、本を読みなれていない私は時系列の前後する話しの構成がなかなか理解できませんでした。
    それを除けば吸血鬼の苦悩と楽しみを描いた本作は今でもじっくり読める作品だと思いました。

  • #8

    Halo (水曜日, 08 5月 2013 02:18)

    吸血鬼が人間から逃げる時の心情をもっと深く、分かりやすいように書いてあるとより楽しめました。
    話の時系列は分かりづらく、過去の話だと理解するまで時間がかかり、ページに戻って読むことも多々ありました。
    兄が妹の為に吸血鬼一族になった編は、絵で感情も表現されていて、より話に入り込めました。話・絵を見た限り私には嵌りませんでした。