(書いている途中です)
昨日、上坪君(高見研究室)が平安将棋の遊戯法に関する研究の途中経過を発表しました。結論だけを簡潔に言いますと、平安将棋は将棋ではなかった、つまり、将棋のルールで遊ばれたものではなかったというものです。飛車も角行もない平安将棋を駒取り捨てルールで対局しても全く面白くないわけですが、上坪ルールによれば、それなりの面白さが出るのです。
このルールの第一の特徴は、成金の区別が必要になるということです。興福寺から出土した1058年の将棋駒をみれば、銀将が成った金と、桂馬が成った金と、歩兵が成った金とではそれぞれ金の字体が違うという見方があります(たとえば、持駒使用の謎:木村義徳著の102ページを参照下さい)。このことをもってして、当時すでに持ち駒ルールが存在したとする説もありますが、他の合理的な解釈もあり得るのです。であれば、11世紀持ち駒ルール説という、将棋史上の不合理が大きい仮説を持ち出すまでもありません。
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・・・(まだ続きます)