218)詰め大将棋

本投稿も書き下ろしではありません。学会の論文集からの引用です。大将棋の復刻を解説せずに、先に大将棋の詰め将棋を投稿するのは順序として逆ですが、ルールについては、たとえば、以前の投稿196)や投稿197)、投稿172)を参照下さい。現時点では、大型将棋の復刻は、摩訶大将棋と大将棋についてはほぼ完了と考えています。

 

------(以下、引用です)

作品例を以下の図に示した.作品1(左図)では,初手▲Cc師子として仲人を取ることはできない.仲人を取る手段は師子の居喰いだけであることに注意されたい.初手▲Cb師子または▲Cd師子は,奔金が利いているため成立しない.初手▲Dd師子居喰い(仲人を居喰い)が正解である.仲人が取られることで横行の横の走りが利いて,空き王手となる.

 

作品2(右図)にもあるように,大将棋では,鳳凰は奔王に成る.一方,摩訶大将棋の鳳凰は狛犬に成ることに注意したい.摩訶大将棋では,麒麟-鳳凰の一対の駒は,それぞれ,師子-狛犬といった一対の駒に成る.大将棋でこうした対応が崩れていることは,大将棋が摩訶大将棋から駒を落として作られた将棋であることを示すものである.大将棋では,師子のペアだった狛犬が落とされたため,鳳凰の成り先が奔王に変更された.

作品1:▲Dd師子居喰い,△Bc奔金,▲Cd師子の3手詰め.

作品2:▲Dd師子居喰い,△Ec盲虎成り(奔虎に成る),▲Cc師子,△同奔虎,▲同鳳凰成り(奔王に成る)まで5手詰め.