289)摩訶大将棋起源説反駁8:八方桂の起源は銅将と盲虎

 

(準備中です)

 

反駁論文への返答を兼ねつつ、将棋史のシナリオを順次紹介している。ここまで書いてきた投稿とこれからの投稿を含め、摩訶大将棋の復刻と関連する主要な成果は、次のとおりである。導かれる多くの結論が互いに相補的な関係性を持って成立しているため、全部のシナリオと仮説は正しいものと考えている。

 

1)摩訶大将棋が将棋の起源である。将棋が順次小型化することで、現代将棋と類似する平安将棋ができた。

 

2)大型将棋は中国からの伝来であるが、現在の中国象棋は、逆に、平安大将棋からの派生である可能性が十分にあり得る。象棋のルールの由来を、大型将棋のルールから説明可能であることがこの現れである。また、チェスのナイトやクイーンの動きが、10世紀以前では立証できていないことから、将棋は象棋だけでなくチェスにも影響を及ぼしているかも知れない。

 

3)第一次平安京の存在を、平安京と大型将棋の間の呪術的関連性から説明することができる。この結果からは、平安京の設計が、天円地方の思想に対しては、中国や日本のどの都城よりも厳密だったことがうかがえる。摩訶大将棋の駒や盤の出土に基づく一連のシナリオの検証はむずかしいものの、第一次平安京の考古学的知見が、将棋史に関する一連のシナリオの検証となることを期待したい

 

(前稿が終われば書き進めます)