2020年

2月

26日

281)玉金銀銅香とならぶ小将棋の存在:色葉字類抄から

平安将棋と中国象棋、この2方向への分岐を議論する際、問題となるのは平安将棋の初期配置である。二中歴に記載されている平安将棋の初期配置は本当に確かなのだろうか。本稿では、議論の前提として、別の「平安将棋」が存在したという考え方をとる。

 

そう考える理由は、二巻本色葉字類抄の記載内容である。二巻本色葉字類抄が示す平安将棋その2を下図に示した。玉金銀銅香という並びである。二巻本色葉字類抄は12世紀半ばの成立で、二中歴よりも早い。むしろ、平安将棋その1というべきなのかも知れない。玉金銀銅香だとする理由は以下のとおり。

 

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2020年

2月

25日

280)大型将棋呪術説:31はマジックナンバー

投稿279)では、中国象棋が平安大将棋から作られたと書いたが、そんなこと、あるはずがないと思った人も多いのではないだろうか。そこで、下の図を見ていただきたい。摩訶大将棋を起源の将棋として、各種将棋がどのような順序で作られたかを示す図である。31枚という単位で駒が取り除かれていることは、投稿244)ですでに述べたが(*注)、ここでは、平安大将棋から平安将棋と中国象棋への分岐に注目されたい(本稿が初出)。

 

13種34枚の平安大将棋が、6種18枚の平安将棋と7種16枚の中国象棋に分割されたと見ることができる。

 13種=6種+7種  34枚=18枚+16枚。つまり、

 平安大将棋=平安将棋+中国象棋

という等式が成立するのである。このことをもってして、平安大将棋から中国象棋ができたという根拠にするわけではないが、そういう可能性もあるかも知れないと思わせる数字ではあろう。

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2020年

2月

24日

279)平安大将棋から中国象棋が作られたという説について

将棋は中国から伝来したというのが通説であるが、将棋の陰陽五行説(=摩訶大将棋起源説)からは、意外なことに、将棋は中国へ伝わったということがわかる。伝来の方向は逆向きだったのである。

 

中国語、アラビア語の文献がまだ完全に調べ切れていないが、日本の古典籍からだけでも、標題の説は成立すると思う。本来は、この概要を3月に学会発表予定だったのが、今年はその研究会が中止となっている。それで、本ブログにてゆっくり公開していくことにした。すぐ結論まで進むのは無理なので、10回分ぐらいになるかも知れないが、おつきあいのほどを。

 

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2020年

1月

03日

278)天子南面:摩訶大将棋の対局の方向

平安時代の摩訶大将棋の対局は東西で向かいあいます。このことは、同じく神事である、盤双六や相撲でも同じでした。その対局を天皇が見て天の声を聞く(易経:聖人南面而聴天下)、これが、呪術としての将棋、その様相のひとつではないかと考えています。

 

当時の古文書にも書かれているとおり、天皇は将棋をせず、見るだけです。摩訶大将棋の世界では将棋盤は平安京、その平安京をおそらくは神様が見るように見ていたのだと想像します。天皇の御前で将棋を指したのは、陰陽師か公卿だったでしょう。平家物語では、陰陽師の安倍泰親は、指御子(さすのみこ)と呼ばれたと書かれています。呪術としての将棋を指していたのでしょう。

 

下の写真は、明後日1月5日(日)の摩訶大将棋展2020 winterにて展示する摩訶大将棋です。まだプロトタイプで将棋盤もできていませんが、駒には霊木の白檀と黒檀を使っています。呪術しての将棋の実物を是非ご覧下さいませ。

https://www.grandfront-osaka.jp/event/943/

 

当然ですが、遊戯が呪術として成立するためには、その遊戯が十分にアミューズメントである必要があったでしょう。この点もご確認のほど。簡単ではありませんが、摩訶大将棋はかなり面白いボードゲームです。はじめの5回ぐらいはすぐ負けてもいいのではないでしょうか。初心者ですと5分ぐらいで勝負がつきます。長考はなしということでお願いできましたら。。。

 

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2020年

1月

01日

277)摩訶大将棋の駒:呪術としての大型将棋

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

下の写真は白檀の駒です。高さ53mm、幅45mm、厚さ16mmの駒96枚。残り96枚は黒檀で作っています。古代ペルシャのシャトランジの駒は象牙と黒檀、盤双六の駒も象牙と黒檀、摩訶大将棋の駒が敵味方色違いであっても不思議ではありません(榧の駒だった可能性も高いと思いますが)。いぜれにせよ、摩訶大将棋は遊戯であって呪術でもあります。駒には、古来からの霊木が使われていたでしょう。

 

白檀と黒檀の駒は、1月5日(日)の摩訶大将棋展2020 winter(グランフロント大阪)にて展示予定です。駒を動かしたときの感触を是非味わっていただきたく思います。駒がその重みで盤に吸い付くような感じです。呪術の駒。古代においては、文字そのものが呪力をもっていました。

https://www.grandfront-osaka.jp/event/943/

 

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